Collectible Eternity Labs(CEL):アニメ制作資料のグレーディングにはどんなリスクがあるのか?
『NARUTO -ナルト-』の原画にA-、『ポケットモンスター』の動画にBというグレードが付けられた。アニメ制作資料の真贋鑑定とグレーディングを行う新サービス、Collectible Eternity Labs(CEL)は、セル画、原画、動画をはじめとする制作資料にこの仕組みを適用しようとしている。制作現場で実際に使われた紙には、タップ穴や書き込み、作業の過程で生じた痕跡が残っている。それでも、その一文字の評価から私が知ることのできる情報は、作品そのものについてはごくわずかだ。一方で、その文字は、CELが私たちに今後どのような見方を求めているのかをよく示している。つまり、作品を鑑定し、ランク付けし、ホルダーに封入し、絵そのものを見る前に理解できるほど目立つグレードを与える、という見方だ。
目次
- CEL自身が「一点物」と呼ぶ紙を、なぜグレーディングするのか?
- 制作の痕跡が「減点要素」になる危険
- どれだけ高いグレードでも、「何を所有しているのか」は分からない
- まんだらけが記録する一方で、Collectible Eternity Labsは単純化する
- Collectible Eternity Labs(CEL)の「専門家」は誰なのか?
- CELの契約文は、ラベルよりはるかに慎重だ
- 技術だけでは「誰が描いたか」は分からない
- 透明スリーブには、非常に具体的な疑問が残る
- セル画は、グレーディング後も保存を続けなければならない
- アニメ制作が「ひとまとまり」で生み出したものを、グレーディングは一枚ずつ切り離す
- CELの最も良いアイデアはすでに存在する――しかもグレードは必要ない
- CELはすでに「再販売」を作品の履歴に組み込んでいる
- Jeremy PadawerとCollectible Eternity Labsに見える「コレクティブル」の論理
- 批判をブロックしても、権威は築けない
- アニメ制作資料に必要なのは、また一つのランキングより、はるかに専門性だ
- 主な参考資料
私は長年アニメの制作画を集めているが、紙の状態を最初に見ることはほとんどない。線、場面、キャラクター、修正、あるいは単純に「惹かれるかどうか」を見る。ほかの紙より何か強いものを感じた、それだけの理由で購入したこともある。自分に語りかけてくる何かがあったからだ。
CELは、セル画、原画、動画、レイアウト、背景画、絵コンテ、作画修正、制作台本などの真贋鑑定とグレーディングを掲げている。状態はSからC-までで評価され、その後、作品は封入されて公開データベースに登録される。同社のサイト自身が、これらの制作資料を一点物の「1-of-1」と説明している。
私は以前、グレーディングされた漫画について、本を読めない状態にすることで価値を高めようとする奇妙な考え方を書いた。アニメ制作資料では、さらに大きな違和感がある。漫画はあくまで量産された商品だ。一方、原画、動画、絵コンテは一点しか存在しない制作過程の痕跡であり、その意味は、もともと一緒にあったほかの資料との関係によって成り立つことも多い。
本来、理解するまでに時間を要する資料に対して、グレーディングは単純で一目で分かる答えを与える。だが、その単純化が資料のためになるとは、私は思っていない。
CEL自身が「一点物」と呼ぶ紙を、なぜグレーディングするのか?
CELのグレーディング基準は、目に見える欠点がない完璧な状態と定義される「S Supreme」から始まり、A+、A、A-、B、Cへと下がっていく。C+では、同時代に現存するほかの資料と比較するという。C-になると、大きな損傷があり、「lower collectible value(コレクター価値が低い)」と説明されている。
本当に? いつから保存状態の評価基準が、コレクター価値そのものを語るようになったのだろう
ポケモンカードなら、この考え方そのものは理解できる。賛成はしないが。同じカードが何千枚も存在し、完璧にセンタリングされたものもあれば、角が傷んでいたり、擦り傷があったりする。グレードによって、同一商品の複数個体を比較できる。
しかし、アニメの制作画はまったく違う。
A1はA2の「より良い個体」ではない。別の絵だ。それだけだ。ラフと、そこから作られた原画は、同じ資料の保存状態違いではない。制作工程の異なる段階に当たる。作画監督の修正と、きれいに仕上がった動画を、どちらも紙に描かれているという理由だけで、知的にも質的にも同じ尺度に並べることはできない。
CEL自身もホームページでこの一点性を認めており、各制作資料を「1-of-1」と紹介している。
C+の定義にも、非常に具体的な問題がある。CELはC+を「better preserved than most surviving examples of its era(同時代に現存する大半の資料より良好に保存されている)」と説明している。では、その比較対象は何なのか。同時代の既知の原画すべてなのか。CELに持ち込まれた資料すべてなのか。同じスタジオの制作画なのか。サイトには比較用の母集団も、資料種別や年代ごとの件数も示されていない。つまり、「大半」より保存状態が良いと言われても、何と比較した結果なのか分からない。
結局、グレードから何を知ることができるのか、という疑問が残る。

制作の痕跡が「減点要素」になる危険
CELはこの点について明確だ。重要なのは紙の物理的な状態だという。破れ、絵具の浮き、変色、強い摩耗などを示すうえで、グレードが役立つことはある。しかし一点物の周囲で、その評価が占める存在感は、実際に伝えている情報に比べてあまりにも大きいように思える。
大きく傷んでいたり、書き込みがあったり、破れていたりする紙でも、その来歴が分かっていれば歴史的に非常に興味深い場合がある。
もう一つ気になるのが、CELの評価基準の最上位にある「perfect condition with no visible flaws(目に見える欠点のない完璧な状態)」という考え方だ。アニメを作るために実際に使われた制作資料に対して、この表現はかなり不思議に感じる。
はっきりさせておきたい。制作資料は実際に手で扱われている。修正され、テープが貼られ、書き込みが加えられたこともある。タップ穴も使用された。作業中に付いた痕跡の一部は、その資料の物質的な歴史そのものだ。
湿気による傷み、破れ、絵具の剥離は保存上の問題であり、明確な劣化だ。しかし私は、本当の劣化と制作工程の痕跡を同じものとして扱いたくない。
調査を進めるなかで、市場が高いグレードを評価するようになった場合に起こり得る、ごく自然なリスクがいくつか見えてきた。
- クリーニング
- 平坦化
- 見栄えを良くするために一部の要素を分離すること
将来のコレクターが、制作の痕跡を「グレードを下げる欠点」として見るよう教えられてしまうとしたら、私はかなり残念に思う。

どれだけ高いグレードでも、「何を所有しているのか」は分からない
幸い、CELはグレードと真贋鑑定を分けている。真正と判断された資料にはAUが付く。真正である可能性は高いものの、制作との結び付きが十分に確認できない場合はUV(Unverified)を使用する。
私がより興味を持つのは、むしろこちらの部分だ。ただし、アニメ制作資料の世界で以前から続く問題に直面する。「authentic(真正)」という言葉には、極めて正確な定義が必要だ。
たとえばJAMAC(Japan Anime & Manga Appraisal Committee)は、実際に撮影に使われたセル画、ライセンス品や販促品、複製品、リレイズセル、販売用に制作されたもの、偽物を区別している。
したがって、公式複製品も「真正」であり得る。しかし、公式複製品であることに変わりはない。同様に、アニメーターに配布された設定資料のコピーは本物の制作資料ではあっても、キャラクターデザイナー本人が描いた原画ではない。
さらに、特定の人物への帰属という別の難しさがある。『天空の城ラピュタ』(Castle in the Sky)の真正な制作画だからといって、宮崎駿が監督した作品であるという理由だけで、それが自動的に宮崎駿の手による絵になるわけではない。これは当然に思える人もいるだろう。市場では、必ずしもそうではない。
『天空の城ラピュタ』のあるカットを例に、この問題を説明したい。
まんだらけが記録する一方で、Collectible Eternity Labsは単純化する
まんだらけは、『天空の城ラピュタ』のカットD1563を非常に詳しく記録している。日本語の説明では、原画を小林一幸、修正ラフを宮崎駿、作画監督修正を丹内司としている。同じカットに3人が関わり、それぞれの役割が明確に分けられている。さらに、まんだらけは、小林、宮崎、丹内がキャラクターの表情や姿勢をどのように解釈しているか、その違いまで言及している。
私がアニメ制作資料に惹かれるのは、まさにそこだ。一枚の紙から、実際の仕事へ遡ることができる
では、そのうちの一枚だけが20年間ほかの資料から離れていたと想像してみよう。来歴は一気に不明瞭になる。文脈がすべて失われ、やがて売り手は「Miyazaki — Castle in the Sky」とだけ書くようになる。
作品名は合っている。だが、それだけで全ての絵を宮崎駿に帰属させることは到底できない。
2025年10月にHeritage Auctionsで落札されたロットは、アニメ制作画の帰属がどれほど複雑になり得るかをよく示している。『天空の城ラピュタ』のラフ8点が、「Attributed to Hayao Miyazaki(宮崎駿作と推定)」というタイトルで24,000ドルで落札された。現在の出品ページにも「EDIT: Attributed to Hayao Miyazaki」と残っており、帰属情報が変更されたことが明示されている。
ところが、Lot-Artで現在も確認できる以前の説明では、この場面はKazuyuki “Ikko” Kobayashiに帰属されていた。一方、まんだらけは2017年、カットD1557のタイムシート付き14枚セットを販売している。引用されている台詞は同じ場面に当たり、パズーがシータを抱きしめ、二人で唱えられるよう呪文を教えてほしいと頼む。まんだらけは、このカットの原画を小林一幸、作画監督修正を丹内司としている。
まんだらけのロット画像を見ると、パズーとシータが近づき、紙を追うごとに表情が変化していく抱擁の各段階を確認できる。説明文は二人のアニメーターの仕事まで比較しており、小林の原画ではカット終盤に向けてパズーの表情がやや厳しくなる一方、丹内の修正では、シータを守る凛とした姿勢がより保たれていると記している。
Heritageの出品ページにはカット番号がないため、8点のラフが、まんだらけが記録したD1557と確実に同一だとは言えない。また、公開情報だけでは、その後Heritageが宮崎駿への再帰属を裏付ける新たな根拠を得たのかどうかも判断できない。ただし、変更そのものは記録されている。以前の説明ではこの場面が小林に結び付けられ、現在のページでは宮崎に帰属されているが、その変更理由は説明されていない。
24,000ドルで売れたロットなら、なぜ一人の名前から別の名前へ変わったのかを知りたい。まさにその種の情報こそ、真贋鑑定システムが保持すべきものだ。帰属の履歴、参照した資料、確度を残さずに、明日ホルダーへ「Hayao Miyazaki — Authentic」と印刷するだけなら、情報を増やすどころか失うことになる。この種の資料について、私は鑑定サービスにもまったく同じことを求める。
この種の資料について、私は鑑定サービスにもまったく同じことを求める。誰がその紙を調べたのか、何を根拠に帰属を判断したのか、そしてその人物がどこまで責任を持って意見を示しているのかを知りたい。


Collectible Eternity Labs(CEL)の「専門家」は誰なのか?
グレーディングのページには、アニメ制作史に関する専門知識を持つCollectible Eternity Labs(CEL)のスタッフが真贋鑑定を行うと書かれている。しかし現在公開されているページには、その判断を行う人物を特定できる氏名、プロフィール、職歴、具体的な資格が一切掲載されていない。
数千ユーロに達することもある資料を鑑定し、グレーディングすると掲げる企業として、この完全な透明性の欠如は、単なる説明不足ではなく、明らかな信頼性の問題だ。
誰が「専門家」として判断しているのか、どのような検証可能な能力に基づいているのか、誰が鑑定結果に責任を負うのかを示さずに、コレクターへその「専門性」を信頼するよう求めるのは、信頼性という点で大きな問題がある。
サイト公開後には、かなり驚く要素も見つかった。CELは、自社のリソースだけでは特定できない資料について「Bounty Board」を設けている。コミュニティの参加者が該当するエピソード、映画、タイムスタンプを特定すると、グレーディング料金などに使えるクレジットを受け取れる。コレクターの知識を借りること自体に異論はない。特定の作品やスタジオについて驚くほど詳しい人もいる。ただし、その場合は、どの情報がCELの専門家によるものなのか、どれがコミュニティメンバーから提供されたのか、そして作品情報へ追加する前にどのように検証したのかを知りたい。
一方、JAMACは、対象作品やジャンルに応じて複数の専門家が関与すると説明している。Rinkya Authenticでは、特定された専門家が署名した判定を出し、状態評価と真贋鑑定を分け、証拠が不十分な場合には「Inconclusive(結論保留)」とすることもできる。Rinkyaはこの違いを分かりやすく説明している。グレードが答えるのは「状態」の問題であり、真贋鑑定が答えるのは「その物が何なのか」という問題だ。
CELでは、グレード、証明書番号、AU判定であることは確認できる。しかし、その帰属判断に誰が専門家として責任を持っているのかは分からない。
ポケモンカードでも、担当者の名前が分からないことに違和感はあり得る。宮崎駿作とされる可能性のある修正ラフなら、私はなおさら気になる。

CELの契約文は、ラベルよりはるかに慎重だ
CELは利用条件のなかで、真贋鑑定はあくまで専門家の意見であると明確に説明している。新しい情報が出れば、判断が覆る可能性もある。
文言はかなり具体的だ。CELは真贋鑑定とグレーディングの判断を「subjective expert opinions(主観的な専門家の意見)」と呼び、保証でも、将来の合意を認定するものでもないと明記している。これは、コレクターがホルダー上でまず目にする「AUTHENTIC」と証明書番号の印象とはかなり違う。
ラベル上では、その慎重さが完全に消える。「AUTHENTIC」という言葉は、最終的な確定判断のように見える。真正である、それで終わりだ。契約文では、CELは実質的に「間違うこともある」と言っている。しかしホルダーでは、「これは本物だ」というメッセージになる。
私にとって、真剣な鑑定であれば、結論と同じくらい明確に限界も示すべきだ。
技術だけでは「誰が描いたか」は分からない
CELは、画像認識、メタデータ、資料データベース、AI支援ツールを使用すると説明している。これらの技術は、該当するエピソードやカットを探したり、紙と完成映像を比較したりするうえで非常に役立つ。
しかし、最も重要な問いには答えられない。その紙を実際に描いたのは誰なのか。
スクリーンマッチによって、その絵がアニメのある画面に対応していることは分かる。だが、制作時に誰が鉛筆を持っていたかまでは証明できない。一枚の紙でも、あるアニメーターが描き始め、別の人物が修正し、その後さらに手が加えられている可能性がある。
そこが、この仕組みの限界だ。技術は画像を見つけられる。しかし、それだけで絵の正確な制作履歴を再構築することはできない。
CEL自身も、これらのツールの限界を認めている。資料には、画像認識やAI支援システムが誤り、不完全な一致、誤マッチを生む可能性があると記載されている。また、参照する歴史的データベースにも、不正確な情報、議論のある情報、後に訂正される情報が含まれる可能性があるとしている。そこまで明記しているのは健全だと思う。問題は、資料が真正と認定され、ラベルが印刷された後も、そうした不確実性がどのように残されるのかだ。
『天空の城ラピュタ』カットD1563の例は、その問題をよく示している。
透明スリーブには、非常に具体的な疑問が残る
公開された写真からは、収納方法もある程度見えてくる。制作画は柔らかい透明スリーブの中に入れられているように見える。
問題は、どの種類のプラスチックが直接紙に触れているのか、また紙がどのように固定されているのか、依然として分からないことだ。
これは些細な点ではない。黒鉛、パステル、一部の鉛筆は、接触や静電気の影響を受ける可能性がある。保存に適した素材は存在するが、原画の保存という観点で、すべてのプラスチックが同等というわけではない。
CELのシステムが作品を傷めると言っているのではない。ただ、技術情報が公開されていない以上、説明どおりに作品を保護しているかどうかを検証することはできない。
それでもCELのホームページの表現は非常に明確だ。グレードを受けた後、作品は「safely encapsulated(安全に封入される)」とされている。一方、Submission Agreementでは、取り扱い、輸送、封入、環境への曝露、経年による脆弱性には固有のリスクがあることを依頼者が認める形になっている。私が評価したいのは、まさにそのリスクだ。現時点でCELは、紙に直接接する素材の仕様を公開しないまま、封入は安全だと述べている。
保存性を商業上の訴求点にする企業が、収納材の組成や正確な仕様を公開しないことは、理解しにくい透明性の欠如だ。

セル画は、グレーディング後も保存を続けなければならない
セル画の状態は時間とともに変化する。プラスチックは黄変、変形、収縮することがあり、絵具はひび割れたり、剥離したりする。そのため、セル画は適切に管理された環境で保存する必要がある。
グレーディングは、その劣化を止めるものではない。つまり2026年に付けられたグレードは、2026年時点の状態しか示していない。5年後、10年後には、ホルダーから一度も出していなくても状態が変わっている可能性がある。
だからこそCELには具体的な回答を求めたい。ホルダーは開けられるのか。処置のためにセル画を取り出せるのか。内部素材を交換できるのか。数年後に再検査を依頼できるのか。
セル画で本当に重要なのは、今日どのグレードに値するかだけではない。その仕組みの中で、明日も適切に保存できるかどうかだ。
アニメ制作が「ひとまとまり」で生み出したものを、グレーディングは一枚ずつ切り離す
アニメの制作画は、ほとんどの場合、一枚だけでは存在しない。同じカットに、レイアウト、ラフ、原画、修正、動画、タイムシート、複数のレイヤーが含まれることがある。数十枚、場合によっては100枚を超えるまとまりになることもある。
市場では、こうした一連の資料が以前から長い間ばらばらにされてきた。グレーディングは、見栄えのする大きな一枚一枚にさらに高い価値を与えることで、その流れをいっそう強める可能性がある。
ここで問題になるのは、文化的・資料的な保存のあり方だ。最も美しい絵だけを残しながら、それを生み出した制作過程そのものを失ってしまうかもしれない。
私にとっては、状態や見せ方の問題よりも、はるかに深刻な損失である。
CELの最も良いアイデアはすでに存在する――しかもグレードは必要ない
それでも、Collectible Eternity Labsのプロジェクトには、私が本当に興味深いと思う部分がある。データベースだ。
『天空の城ラピュタ』のカット153の例では、原画49枚とタイムシート1点、計50点がまとめられている。複数のコレクターに分散していても、こうして互いの関係を保つことができる。
私にとっては、その紙がAなのかA-なのかを知るより、はるかに有用だ。
200作品にわたる724件の登録によって、CELは本格的な資料データベースになり得る土台をすでに作っている。そして、このプロジェクトの最も良い発想は、おそらくそこにある。単に作品を採点するのではなく、その周辺で失われた情報を再構築することだ。これは、私自身も数年前から取り組もうとしているテーマでもある。
ただし、このデータベースの品質は、記録対象となる資料と同じ厳しさで確認する必要がある。『天空の城ラピュタ』カット153のコレクションには、すでに見逃しにくい誤りがある。CELは現在「Castle in the Sky · 1984」と記載しているが、映画の日本公開日は1986年8月2日で、Studio Ghibli自身が示している日付だ。入力ミスはもちろん起こり得る。しかしこの誤りは、CELがカット、レイヤー、タイムシートをどれほど正確に再構築できるかを示す代表例の一つに含まれている。紙を特定のアーティストへ帰属させたり、その履歴を再構築したりする前に、まず基本情報が正しくなければならない。
この記事を書いている時点で、グレーディングのページには、一般からの申込みはまだ開始していないと記載されている。CELにはすでに35点の「Verified authentic」が表示されているが、外部のコレクターが自由に送る資料を大量に受け入れる状況には、まだ直面していない。より多様な来歴、難しい帰属、明確な一致対象が見つからない資料に対して、その方法がどう機能するのかは、今後を見る必要がある。

CELはすでに「再販売」を作品の履歴に組み込んでいる
CELのホームページには、『デジモンアドベンチャー』の制作資料を使った分かりやすい例が掲載されている。2025年4月にYahoo! JAPANで386,000円で購入され、2026年9月10日にA-のグレードと真贋鑑定を受け、その3日後に6,700ドルで再販売された。
この例はサービスの仕組みを説明するために選ばれている。購入と再販売の間に、まさに認証が置かれている。
コミックなどほかの市場では、グレーディングが買い手の安心感を高め、より高い価格での販売を容易にすることがすでに知られている。
アニメ制作資料でも同じ仕組みが働き得る。証明書が複雑な資料を単純化し、買い手を安心させ、再販売しやすくする。
そして、再販売を容易にする仕組みになった時点で、それは記録や保存だけのためのものではない。金銭的な価値を高めるための道具にもなる。
Jeremy PadawerとCollectible Eternity Labsに見える「コレクティブル」の論理
Jeremy Padawerは、Collectible Eternity Labsの立ち上げで目立つ人物の一人だ。玩具、ライセンス、コレクティブル分野での経歴を知っている人もいるだろう。私は、彼の顔が映ったストーリーを2、3度見かけた程度だった。一方で、アニメ制作資料の保存に関する経験が公に示されている例は見つけられなかった。
複数のコレクターは、CELの立ち上げ数か月前の古い動画も掘り起こしている。その動画では、彼自身がまだ原画と動画の違いを説明してもらっているように見えた。
CELは、誰が鑑定を行っているのかを今も明確にしていない。もしJeremy Padawerが専門家の一人であるなら、私は個人的に、その役割における彼の信頼性に疑問を持つ。
コレクターとして、ラフを宮崎駿作とするのか、荒木伸吾作とするのか、誰が判断しているのかを知りたい。鑑定に料金を請求する企業として、この透明性の欠如は受け入れがたい。

批判をブロックしても、権威は築けない
CELの立ち上げ以降、アニメ制作資料のコレクターからはすでに多くの懸念が出ている。一点物へのグレーディング、セル画の保存、チームの実際の経験、そしてTCG的な価値観がこの市場へ持ち込まれることなどだ。
攻撃的な反応もある。一方で、完全に正当な疑問もある。それでも複数のコレクターが、プロジェクトを批判したり否定的なコメントを投稿したりした後にInstagramでブロックされたと述べている。もし事実なら、信頼を築く方法としては非常に悪い。
CELが参入するのは、20年、30年にわたって制作資料を収集し、研究し、保存してきた人たちがいる世界だ。保存修復の専門家は長年、セル画の劣化について研究している。オークションハウス、スタジオ、日本の関係者も、それぞれ独自のアーカイブと知識を持っている。
企業として基準になる存在を目指すなら、真剣な批判に答え、方法を公開し、異論を受け入れる必要がある。
質問する人をブロックしても、権威は強くならない。むしろ信頼性を損なう。
アニメ制作資料に必要なのは、また一つのランキングより、はるかに専門性だ
資料を真贋鑑定できるサービスの意義はよく分かる。必要性さえ感じている。私自身、2020年に似たプロジェクトへ取り組んだこともある。偽物は何年も前から流通している。何度も転売されるうちに帰属を追えなくなることがあり、一式から切り離された紙は、やがて文脈を失っていく。
良いサービスなら、表裏を記録し、カットを特定し、レイヤーを確認し、来歴を保持し、既知の紙を互いに結び付け、専門家の留保も明確に公開できるはずだ。
Collectible Eternity Labsは、データベースを通じてすでにその一部を作り始めている。おそらくプロジェクトで最も興味深い部分であり、同時に最も複雑な部分でもある。
一方で私たちは、体験や物、人までもが評価の対象にならないことを、次第に受け入れられなくなっているように思う。レストラン、ホテル、トイレの清潔さ、ドライバー、販売者、さらには恋愛関係まで、あらゆるものが分類され、比較され、点数に置き換えられていく。しかし、アニメーションの作画資料は、A-という評価がなくても価値を持つ。何より、その一文字からは、私がその資料について本当に知りたいことのほとんど何も分からない。
『聖闘士星矢』『シャーマンキング』『Fate/stay night』の作画を見て、A-に値するのか、B+なのか、それとも別の評価なのかと考えたことは一度もない。私が見るのは、その一枚が何を語っているかだ。誰が描いたのか、どのように修正されたのか、制作工程のどの段階に位置するのか、そして完成した映像を理解するために何を教えてくれるのか。
私が置き換えられたくないのは、その知識だ。Instagram、オークション、商品ページで1秒あれば理解できる一文字の評価に、それを置き換えてほしくない。
CELが失われた資料を見つけ、分散した紙を再び結び付け、アニメーションの本格的なアーカイブを構築できるなら、私は大きな関心を持ってそのデータベースを見るだろう。そして、自分で同じものを作る必要もなくなる。
しかし主な目的が、一点物の制作画を標準化し、封入し、より売りやすい商品へ変えることなら、CELがアニメーション史をより良く記録することにはならない。
できるようになるのは、作品にグレードを付けることだけだ。そしてそれは、どんなアニメ制作資料にとっても、おそらく最も興味の薄い情報のままだ。
主な参考資料
Collectible Eternity Labs, site officiel, consulté le 12 septembre 2026
Justia Trademarks, dépôt CEL — Collectible Eternity Labs LLC, 28 mai 2026 :
Association of Japanese Animations, avertissement concernant les ventes de cels et dessins d’animation par des tiers, 23 août 2021
JAMAC — Japan Anime and Manga Authentication Committee, site officiel
JAMAC, services et catégories d’expertise
JAMAC, règlement du comité
Sōmeidō Misakian, expertise de cellulos et recherche d’authenticité
Mandarake, Castle in the Sky, cut D1563 — genga Kazuyuki Kobayashi, rough de correction Hayao Miyazaki, correction Tsukasa Tannai
Mandarake, Castle in the Sky, cut D1557 — ensemble de dessins et timesheet
Heritage Auctions, Castle in the Sky Rough Animation Drawing Group of 8 Attributed to Hayao Miyazaki, vente à 24 000 dollars en octobre 2025.
M. T. Giachet et al., Assessment of the composition and condition of animation cels made from cellulose acetate, Polymer Degradation and Stability, 2014
Getty Conservation Institute / Disney Animation Research Library, travaux consacrés à la composition, au vieillissement et à la conservation des cellulos d’animation
Kristen McCormick et al., Animation Cels: Conservation and Storage Issues, Objects Specialty Group Postprints.
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CGC, CCG and CGC Comics Statement on Holder Tampering Incident, 2024
PSA, Cert Verification — Security: A Buyer’s Guide : https://www.psacard.com/cert
Michaël Dewally & Louis Ederington, Reputation, Certification, Warranties, and Information as Remedies for Seller-Buyer Information Asymmetries, Journal of Business, 2006
Animate Times, entretien avec Mitsutoshi Kubota de Shaft concernant notamment le nombre de dessins pouvant composer certains cuts



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