時間が経つにつれて、ecchi系やhentai系のフィギュアに対する自分の魅力の多くは薄れていった。下品に感じるものもあれば、出来が物足りないものも多く、あるいは昔ほど自分にとって重要ではなくなったものもある。けれど、G-Tasteだけは残った。これは隠しておきたい気まずい昔の記憶ではなく、むしろ自分の想像力にも、コレクションにも、記憶にも、長く残る何かを刻みつけた作品だ。だからこそ今、あらためて向き合う価値があるのかもしれない。
Sommaire

なぜG-Tasteは、自分の歩みの中でただの一本ではなかったのか
G-Tasteは、八神ひろきによるエロティック漫画で、1996年から2004年にかけて日本で刊行され、その後1999年から2003年にかけて複数のOVA化が行われ、2010年には追加エピソードも発売された。作品はさまざまな女性キャラクターを中心にした短い場面の連なりで構成されており、長く成長していくヒロインというより、幻想や魅惑の対象として設計された存在に近い。
こうして説明すると、G-Tasteはecchiやhentaiという大きなくくりに簡単に収まってしまう作品にも見える。実際、そうした作品群は古びやすく、エロティックな側面やフェティッシュ性だけで片づけられがちだ。だが、自分にとってG-Tasteは一時的な好奇心の寄り道ではなかった。コレクターとしての歩みの中で、はっきり特別な位置を占めている作品だ。
それは、原作漫画を読んでいない今でも変わらない。OVAは見たが、自分に強く残ったのはアニメよりもイラストやフィギュアのほうだった。G-Tasteで何より惹かれたのは、その作品世界の視覚性そのものだ。作家の絵柄、キャラクターの見せ方、そして線そのものにも、はっきりとした描写にも宿る独特のエロティシズムだった。

G-Tasteがごく早い段階で自分の想像の中に刻みつけたもの
G-Tasteが自分のコレクションの中で特別な位置を占めるようになったのは、八木沢萌と神無月舞という二人のキャラクターへの強い愛着があったからだ。
まず八木沢萌だ。自分の中で彼女が表していたのは、純粋なファンタズムであり、ひと目で記憶に残るシルエットであり、その衣装ひとつで作品への惹かれ方の一部を要約してしまうような存在だった。彼女の重要さは、男性的欲望や一時的なエロ嗜好だけでは説明できない。八神ひろきが、ひとりのキャラクターを強い存在感へと変え、ほとんど女性的官能のアイコンにまで高めていたことも大きい。
一方の神無月舞は、別のものを体現していた。幻想というより、意志のある女性性、存在感、そして品格だ。彼女が長く自分の中で重要なままでいたのも偶然ではない。少なくとも自分の記憶の中で、G-Tasteはどのキャラクターも同じに見える作品ではなかった。むしろ一部の人物像は驚くほどくっきりと際立っていて、何年経っても名前やデザインを覚えているほどだった。
この作品に惹きつけられたのは、ただ場面を作るだけでなく、そこに「存在」を生み出していたからだと思う。コレクションのいくつかの品に迷いを覚え始めたあとも、どうしても忘れきれないキャラクターたちがいた。

記憶がコレクションになったとき
G-Tasteが単なる思い出で終わらなかった理由のひとつは、この作品が実際に自分のコレクションの中へ物理的に入り込んだからでもある。
自分はこのシリーズのガシャポンも、PVCも、ほぼすべてのレジンも持っているし、セル画も数多く所蔵している。ある段階から、これは単に好きだった作品という話ではなくなった。記憶そのものを、自分の手で物質化してきたのだと言っていいと思う。
そして、その愛着をとりわけよく象徴している品もある。たとえば2001年に発売されたVOLKS製1/6 八木沢萌の塗装済みレジンフィギュアで、こちらにはレジンキット版も存在する。
もちろん、神無月舞まわりの品も外せない。こちらはずっと見つけにくい。だからこそ、探す時間や注いだ労力、その蓄積によって、かえって重みを増していくタイプのコレクションでもある。
おそらくそこで、G-Tasteは他の作品とは決定的に違うものになった。幻想や視聴体験の段階にとどまらず、自分のコレクションの一部になったのだ。そしてコレクションは、単なる思い出とは重みが違う。そこには確かな愛着が表れ、その愛着に長期的な重さと証拠を与えてくれる。
G-Tasteを文脈の中に置き直す
G-Tasteがあらゆる意味で特別だったわけでもない。この作品は、自分自身の歴史の中でも、時代全体の中でも、あるはっきりした場所に属している。つまり、1990年代後半から2000年代にかけての、女性アーキタイプ、短い場面、観察と幻想に強く寄った視覚装置によって成り立つエロティック漫画の系譜だ。男性側の関与がほとんど見えない断片の連なりとして語られることも多く、そのことが覗き見的な印象をさらに強めている。正直に言えば、物語性がこの作品の強みだったわけではない。
この点ははっきり言っておいたほうがいいと思う。G-Tasteは深い作品ではない。何か見落とされた本質的価値があるからといって、どうしても見返すべきシリーズというわけでもない。魅力は別のところにある。
その魅力は、まず絵の質にある。八神ひろきは、露骨な下品さに落ち切ることなく、欲望を喚起するイメージをきわめて精密に作り出せる作家だった。そしてもうひとつは、この種の世界観がオタク的想像力の中で今よりもずっと目立つ場所を占めていた時代性だ。抑制されすぎてもいない、かといって露骨すぎもしない、そんなものを見つけるのが難しかった時期でもあった。
その観点から見ると、OVAはかなり見劣りする。確かに存在しているし、ライセンスの歴史の一部ではある。だが、G-Tasteの本当の特異さを映像として十分に運ぶことはできなかった。自分の中に残っているのはアニメーションではない。絵であり、画面の質感であり、作者のあの独特な作風そのものだ。

趣味が変わっても、記憶だけは残る
時間が経つにつれて、自分がやや際どい部類に入ると考えるフィギュアとの向き合い方も変わっていった。それが成熟によるものなのか、コレクション全体の方向転換なのか、あるいは単に見慣れによる感覚の摩耗なのかは分からない。だが少しずつ、以前なら惹かれていたはずの多くの作品に、もう同じようには引き寄せられなくなっていった。
今では下品に見えてしまうものもあれば、逆に出来が足りないと感じるものもある。惹かれる気持ちは少しずつ引いていった。感情の熱が抜けていくような変化だったが、その理由を自分でもうまく説明できない。
けれど、G-Tasteだけは感情の面で同じようには摩耗しなかった。
それは、この種の作品として自分が本当に見た最初のシリーズだったからかもしれない。あるいは、絵の質や存在感において、ごく早い段階で自分の中の基準を作ってしまい、その水準に多くの作品が届かなかったからかもしれない。その周辺の多くが少しずつ記憶の中で溶けていくなかで、G-Tasteだけはわずかに特別な何かを保ち続けた。自分の思い出の中で、踏み越えてほしくない一線のこちら側に残ってくれたような作品だった。
たぶんこの記事で本当に伝えたいのは、そこなのだと思う。何かに対する好みを失っても、そこを通ってきたすべての作品まで失うわけではないということ。残る作品があるのは、それらが他より強く、そしてより正確に自分に届いていたからだ。必ずしも出来が上だったからではない。もっと深い痕跡を残したからだ。
最後に
日本のポップカルチャーの中でも、多くの人が戯画化するか、あるいは最初から見ないことにしてしまう領域がある。だがその中にも、確かに痕跡を残した作品はある。趣味の痕跡であり、幻想の痕跡であり、そしてコレクションの痕跡でもある。
G-Tasteは、まさにその部類に入る。
好みは変わる。コレクションも移り変わる。記憶は自分たちを形づくる。それでも時の選別をくぐり抜けて残るシリーズやキャラクター、いくつかの品がある。そして、その残り方そのものが、何年も経ってから言葉で説明しようとする以上に、その作品について多くを物語っていることがある。
imacollector®によって制作された記事――日本のポップカルチャーの記憶と遺産に捧げられた編集アーカイブ。
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